2026.08
A: ねぇ、最近「ジェネリック・ドラッグ・ロス」って言葉を耳にしたんだけど、これってどういうことなの? ジェネリックって、どこでも普通に安く買えるイメージがあるんだけど……。
B: ああ、それね。実は今、深刻な問題になってるんだよ。本来なら元の薬(先発品)の特許が切れたら、安いジェネリックが出るはずでしょ? でも、「特許が切れたのに、どの製薬会社もジェネリックを作ってくれない・発売してくれない」っていう現象が起きちゃってて。
A: え、そうなの!? 日本ってジェネリックのシェアが8割超えてるって聞くから、何でも揃ってるのかと思ってた。
B: 厚労省の研究班が124社にアンケートを取ったんだけど、なんと4割以上の会社が「開発を諦めた・見送ったことがある」って答えてるんだよね。ひどいケースだと、「海外にはジェネリックがあるのに日本にはない」とか、「元々の薬はめちゃくちゃ売れてるのに後発品が出ない」なんてことも起きてるんだ。
A: なんでそんなことになっちゃうの? 作れば売れるんじゃないの?
B: 一番の理由は、ズバリ「採算が取れないから」だね。薬を作るための原材料(原薬)を手に入れるのが難しかったり、専用の工場設備に莫大なお金がかかったりするんだよ。それに、ものによっては患者さんを対象にした臨床試験をイチからやらなきゃいけなくて、開発費が跳ね上がっちゃう。それなのに薬の値段(薬価)が安すぎて、「これ、売っても大赤字じゃん!」ってなっちゃうわけ。
A: なるほどなぁ……ビジネスとして成り立たないんだね。国も何か対策はしてないの?
B: 難しい薬には「薬価を10%上乗せするよ」っていうオマケの仕組みはあるんだけどね。でも企業側は「たった10%乗せてもらったくらいじゃ、高額な開発費なんて全然回収できません!」って言ってて、アンケートでも8割以上の企業が「そんなのじゃ開発できない」って答えてるんだ。
A: 10%くらいじゃ焼け石に水ってことか。
B: そう。しかも日本って、毎年のように薬の値段が強制的に引き下げられる改定があるでしょ? 企業からしたら「せっかく苦労して出しても、毎年どんどん値下げされたらやってられないよ」ってのが本音なんだよね。
A: そりゃ企業も及び腰になるよね……。じゃあ、現場はどうしたらいいって言ってるの?
B: まずは物価や人件費の高騰をちゃんと価格に反映してほしいってこと。あとは、毎年の値下げ改定をやめるとか、日本独自の厳しすぎる原料ルールの見直しだね。あと面白いのが、アメリカみたいに「少し形や効能をアレンジして出しやすくする承認ルート」を作ってくれたら、半数近くの会社が「それなら開発したい!」って前向きなんだよ。
A: 発売のときだけじゃなくて、発売した後のルールも含めて仕組みを変えないと、私たちが必要な薬を使えなくなるかもしれないってことだね。
B: まさにその通り。根本から制度を見直さないと、この先もっと手に入らない薬が増えちゃうかもしれないね。