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「志望動機は何ですか?」
面接官の質問に、私は一瞬言葉に詰まった。正直に言えば「家から近いから」。でも、それだけでは薄っぺらい。昨夜も悩んで眠れなかった。
「えっと、御社は地域密着型の薬局として…」
私は準備した文句を並べ始めたが、自分でも上滑りしている感覚があった。面接官の目が少し細まる。伝わっていない。
「すみません、もう一度お願いできますか?」
深呼吸をして、私は思い切った。
「実は、単純に通勤が便利だという理由で応募しました」
部屋の空気が凍りついた。しかし言葉を続ける。
「でも、御社の薬局ホームページを見て考えが変わりました。特に在宅医療に力を入れているという点に惹かれました」
これは嘘ではない。調べれば調べるほど、この薬局の取り組みは私の理想に近かった。
「祖母が寝たきりになった時、薬剤師さんが自宅に来てくれたんです。その時の安心感は今でも忘れられません。私もそんな薬剤師になりたいと思っていました」
その時の記憶が蘇る。祖母の笑顔。白衣の薬剤師さんの優しさ。
「また、こちらには小児科クリニックが近いですよね。私は大学時代、小児薬物療法に興味があり、卒業研究でも取り組みました。地域のお子さんたちの健康に貢献できる薬剤師になりたいと思っています」
言葉が自然と湧き出てくる。面接官の表情が和らいだ。
「つまり、最初は通勤の便利さだけで見ていましたが、調べるうちに『ここでなら自分の理想の薬剤師になれる』と確信したんです」
面接を終え、帰り道で空を見上げた。雲一つない青空。肩の力が抜けていく。
志望動機を考えることは、自分自身を見つめ直す旅だった。「近いから」という理由で始まった就職活動が、「どんな薬剤師になりたいのか」という問いに変わっていた。
結果はどうあれ、自分の言葉で伝えられたことに小さな自信が芽生えた。明日からまた、新たな薬局を探すかもしれないし、ここに決まるかもしれない。
でも今は、ただ歩く。一歩一歩、自分の道を。
* * *
「どんな薬剤師になりたいのか」
「自分は何を大切にしたいのか」
志望動機を考えることは、
自分自身を見つめ直すきっかけになります。
もしあなたも、
「志望動機がうまく言葉にできない」
「自分が本当に何を求めているのか分からない」
そう感じているなら、
薬剤師専門のエージェントに相談してみませんか?
話していくうちに、
「自分はこういう働き方がしたかったんだ」
「こういう薬剤師になりたかったんだ」
そう気づけることがあります。
自分の言葉で、自分の理想を語れるようになる。
それが、転職成功への第一歩です。
※ 志望動機の整理、面接対策もサポートしてもらえます。