2025/04
A: ねえねえBさん、最近ニュースで「宇宙創薬」って言葉ちょくちょく見かけるんだけど、あれって一体なんなの?宇宙で薬作るって、SF映画みたいじゃない?
B: おお、Aさん、食いつきいいね!そうそう、宇宙創薬はマジでSFっぽいんだけど、あながち的外れでもないんだよ。簡単に言うと、宇宙の特殊な環境を利用して、新しい薬を作る研究のことなんだ。
A: ふーん、宇宙のどんなところが薬作りに役立つの?無重力とか?
B: その通り!特に大きいのが微小重力、ほぼ無重力に近い状態ね。地上だと、どうしても重力でタンパク質の結晶がうまく成長しないことがあるんだけど、宇宙だとそれが邪魔されにくいんだって。だから、より高品質で均一な結晶ができやすいらしいよ。
A: タンパク質の結晶がきれいだと、薬作りにどんないいことがあるの?
B: いい質問だね!薬って、特定のタンパク質にくっついて効果を発揮するものが多いんだけど、そのタンパク質の形が分かってないと、どんな形をした薬を作ればいいかわからないんだ。高品質な結晶ができれば、そのタンパク質の構造を詳しく解析できるから、より効果的な薬をデザインできる可能性があるってわけ。
A: なるほどね!それで、もうすでに宇宙で作られた薬ってあるの?
B: まだ「宇宙で作られた」ってわけじゃないんだけど、アメリカのメルクっていう製薬会社の抗がん剤「キイトルーダ」の開発に、宇宙で得られたタンパク質の結晶の情報が役立ったらしいよ。地上での製造プロセスを改良するヒントになったんだって。
A: すごいじゃん!じゃあ、日本の製薬会社もどんどん宇宙で薬作り始めるのかな?
B: そこがちょっと微妙なところでね。海外の大きな製薬会社は結構宇宙実験に乗り出してるんだけど、日本はまだ製薬会社以外の企業が中心なんだ。
A: え、そうなの?例えばどんな会社?
B: 宇宙有人システムっていう会社があってね。そこが大学とかと協力して、「宇宙用MPS(生態模倣システム)装置」っていうのを作ったんだって。
A: 宇宙用MPS?なんだか難しそう…。
B: ハハハ、名前はちょっとね。簡単に言うと、人間の細胞とか組織を宇宙で、生きてる状態に近い形で培養できる装置らしいよ。宇宙だと、骨とか筋肉とかの老化が地上より早く進むから、その装置を使って、老化に関わる病気の薬の効果を早く試せるかもしれないんだって。
A: へえー!それは画期的かも!動物実験が減ってるって話もあるし、宇宙での実験がもっと注目されるようになるのかな?
B: そうそう!アメリカのNASAとかも、宇宙でMPSを作るプロジェクトに力を入れてるみたいだよ。
A: ところで、記事に「2030年頃から国主導から民間主導へ」って書いてあったけど、どういうこと?
B: 今は国際宇宙ステーション(ISS)っていう、いろんな国が協力して運用してる施設で実験してるんだけど、それが運用終了する予定なんだ。その後は、日本もJAXAっていう国の機関じゃなくて、民間の会社が宇宙での活動を担うようになるらしいんだよ。
A: 民間の会社が宇宙ステーションを運営するようになるんだ!それはまたすごい変化だね。
B: そうだね。そうなると、宇宙で薬の研究をする環境を整えるためには、日本の製薬業界全体がもっと積極的に動いて、「宇宙でこんな研究がしたい!」ってアピールする必要があるんだって。
A: なるほどね。でも、記事だと日本の製薬会社はまだ様子見してる感じなんだ?
B: そうみたい。海外の大手に比べると、まだ宇宙創薬の研究成果が少ないって見方もあるみたいで、なかなか本格的な参入には至ってないみたいなんだよね。
A: うーん、それはちょっともったいない気もするなあ。これから宇宙での創薬競争が激しくなるかもしれないのに。
B: 全くその通り!日本がこの分野で乗り遅れないためには、もっと積極的に宇宙での研究に取り組む必要があるんじゃないかな。色々と課題はあるみたいだけど、宇宙創薬の可能性は大きいと思うんだよね!
A: うん、私もそう思う!なんだか話聞いてたら、宇宙創薬がもっと身近に感じてきたよ!Bさん、ありがとうね!
B: どういたしまして、Aさん!宇宙創薬、これからどうなっていくか、一緒に注目していこうね!