2025.12
A(質問役): 「Bさん、ニュースで見ましたけど、薬局の経営がヤバいって話と、いやいや儲かってるでしょって話で、意見が真っ二つに分かれてるみたいですね。結局、どっちが本当なんですか?」
B(説明役): 「お、いいところに目をつけたね。まさに12月の中医協で、次の診療報酬改定に向けた『ガチのぶつかり合い』があったんだよ。一言で言うと、**『悲鳴をあげる薬局側』vs『冷静な数字で返す支払い側』**っていう構図だね。」
1. 薬局側の訴え:現場はもう限界!
A: 「まずは薬剤師会側の言い分を聞きたいです。そんなに苦しいんですか?」
B: 「日本薬剤師会の森委員は、かなり危機感を持って話してたよ。ポイントはこんな感じかな。」
- 利益が激減: 黒字は保ってるけど、金額ベースで見ると前年より23%もダウンしてる。
- コストのダブルパンチ: 電気代なんかの物価高と、スタッフの賃上げが重なって、経営をめちゃくちゃ圧迫してるんだ。
- 人がいなくなる: 必死に給料を上げても、他の業界に負けて薬剤師や事務の人が辞めちゃう。
A: 「23%減はキツイですね……。貯金を切り崩して生活してるみたいな感覚なのかな。」
B: 「そうだね。特に1〜5店舗くらいの小さな薬局は、約3割が赤字に陥ってる。だから『次の改定でなんとか助けて!』って切実な訴えをしてるんだ。」
2. 支払い側の分析:データ上はまだ余裕でしょ?
A: 「それに対して、健保組合(支払い側)の松本委員はどう返したんですか?」
B: 「そこは冷静だよ。**『データを見ると、全体的にはまだ堅調ですよね?』**ってバッサリ。特に注目したのはここだね。」
- 立地による『勝ち組』: 診療所のすぐ隣(門前薬局)は利益率6.2%、医療モールの中なら**7.6%**も出てるじゃないか、と。
- 調剤は安定: 2023年度も黒字の水準は変わってないんだから、経営努力でカバーできる範囲でしょ、というスタンスだね。
A: 「なるほど……。場所が良い薬局はしっかり儲かってるから、一律に『苦しい』と言われても困るよ、ってことですね。」
まとめ:2026年度はどうなる?
B: 「そう。だから今は、**『物価高で倒れそうな小規模薬局をどう救うか』っていう議論と、『儲かりすぎている場所の評価をどう適正化するか』**っていう、相反する難しいパズルを解いている状態なんだ。」
A: 「どっちの言い分も分かるだけに、決着が難しそうですね。僕らが薬局で払うお金にも関わってくる話だし、目が離せません!」
薬局の「立地」がどうしてそんなに揉めるポイントになるのか?
薬局の「立地」で何が変わる?
A: 「Bさん、さっき『立地によって利益率が違う』って話がありましたけど、ぶっちゃけ場所が違うだけでそんなに変わるもんですか?」
B: 「これがね、経営効率が全然違うんだよ。特に揉めているのは**『門前(もんぜん)薬局』と『敷地内(しきちない)薬局』、それに『面(めん)の薬局』**の違いだね。」
A: 「門前っていうのは、病院のすぐ目の前にあるやつですよね?」
B: 「そう。そこが支払側からマークされてる理由を説明するね。」
1. 効率が良すぎる「門前・敷地内」
B: 「病院の目の前や敷地内にあると、そこに来る患者さんの処方箋がドバッと流れてくるでしょ? 営業しなくても患者さんが来てくれるし、特定の病院の薬だけを揃えればいいから、在庫管理も効率的なんだ。」
A: 「なるほど、今回のデータで**利益率7.6%**とか出てたのは、その効率の良さのおかげか!」
2. 苦労が多い「面(めん)の薬局」
B: 「逆に、街中にある『面』の薬局(地域密着型)は大変なんだ。いろんな病院の処方箋が来るから、膨大な種類の薬を置かなきゃいけない。備蓄コストもかかるし、患者さんに選んでもらうための工夫も必要だよね。」
A: 「薬剤師会が言っていた『1〜5店舗の小規模薬局が苦しい』っていうのは、こういう街の薬局のことなんですね。」
「儲けすぎ」批判と「経営の努力」のせめぎ合い
A: 「支払い側が『立地で評価を適正化しろ』って言ってるのは、『効率よく儲かっているところの報酬は下げてもいいよね』って意味ですか?」
B: 「察しがいいね!でも、薬局側からすればこう反論したくなる。」
- 薬局側の言い分: 「効率がいいのは経営努力だ。それに、敷地内薬局は高い賃料を病院に払っている場合もある。利益率だけで判断しないで!」
- 支払い側の言い分: 「特定の病院に依存している薬局より、地域全体を支える薬局(かかりつけ薬局)にこそ、手厚く報酬を出すべきだ。」
A: 「うわー、どっちも正論に見える……。だから中医協の議論はいつもバチバチなんですね。」
B: 「その通り。2026年度の改定では、**『ただ病院の隣にいるだけの薬局』の点数はさらに厳しくなって、『夜間対応や在宅訪問を頑張る地域密着の薬局』**に手厚く配分される流れがもっと強まるはずだよ。」
A: 「場所が良いから安泰、っていう時代じゃなくなってきてるんですね。勉強になりました!」
おまけ
本当にあるの?業界用語の正体
A: 「Bさん!さっきから言ってる『敷地内薬局』とか『面の薬局』って、怪しくないですか?(笑) もしかしてBさんのオリジナル造語じゃないですよね?」
B: 「失礼だなあ(笑)。これ、実は厚生労働省の会議(中医協)でも普通に使われる公式な分類なんだよ。業界紙を開けば、毎日この言葉が出てくるくらい基本中の基本なんだ。」
① 敷地内薬局(しきちないやっきょく)
B: 「これは最近、特に議論の的になっているやつ。病院の駐車場だった場所や、病院の建物の一部にテナントとして入っている薬局のことだよ。門前薬局のさらに進化系、というか**『究極の門前』**だね。」
A: 「あ!大きな総合病院の1階とかに、コンビニみたいに入ってる薬局のことか!」
B: 「そう。患者さんは外に出なくていいから便利だけど、あまりに病院と一体化しすぎてて『これって独立した薬局と言えるの?』『家賃を通じて病院に利益を還元してるんじゃないの?』って厳しくチェックされてるんだよ。」
② 面(めん)の薬局
B: 「こっちは、特定の病院の前じゃなくて、駅前や商店街、住宅地にある薬局のこと。業界では**『面(めん)で受ける』**なんて言い方をするよ。」
A: 「面……あ、特定の『点(病院)』じゃなくて、広い『面(地域)』をカバーしてるって意味?」
B: 「正解!特定の病院に頼らず、近隣の住民がいろんな病院からもらってきた処方箋をまとめて受けるから、そう呼ばれるんだ。国は今、この『面の薬局(かかりつけ薬局)』を増やそうと頑張ってるんだよ。」
A: 「なるほど、ちゃんと公的な言葉だったんですね、疑ってすみません(笑)。」
B: 「いいよいいよ!でも、こういう『立地の呼び方』が、実は僕たちが支払うお会計の点数(調剤基本料)を決める大きなポイントになってるんだから、面白いよね。」